Someday Somewhere

A little something to say in my everyday life

home free

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去年か、一昨年だったか、主人がいつも読んでいる韓国のネット新聞に紹介されていたサイトで、Home Free Adventuresというのがあった。 それは、定年した一組のアメリカ人夫妻のサイトで、彼らの定年後のライフスタイルを綴っているのだが、そのライフスタイルというのがかなり大胆。

それがhome freeというライフスタイル。 ちなみに、英語で○○ freeという場合、簡単に言ってしまうと、freeの前に来る○○が無いとか、含まれないといった意味になる。 オイルフリーとかアルコールフリーといった言葉は見かける機会もあると思うが、例えば、oil-free moisturizer(油分を使っていない乳液)とか、alcohol-free beer(ノンアルコールビール)、fragrance-free shampoo(無香料のシャンプー)など。

そこで、home free。 文字通り、家が無い、家を持たないという意味。 実際に、このアメリカ人夫婦は、定年後、今まで暮らしていた家を売り払い、持ち物をできる限り減らし、定住というライフスタイルをやめてしまった。

それじゃあ、どうやって暮らしているのかというと、行きたい、訪れてみたいと思う国や地域へ行き、気に入った都市や街に長期間滞在し、定年後の時間をエンジョイしている。 そして、家族みんなで集まるといったシーズンにはアメリカに戻り、子供たちや友人たちと過ごす。 この繰り返し。

ここで、まず現実にこういう方法が可能なのかということ。 少なくとも、定年前は仕事を持ち、お金を貯めておく必要がある。 そして、定年後も何か収入を得る方法をもっていればより安心。 実際に、このサイトを運営している奥さんはライターなので、書き物をして収入を得ることができる。 それから保険。 海外に長期間滞在するわけで、保険もしっかり入っておかなくてはいけない。 今では、こういうライフスタイルを送る人向けの保険もあるみたいだけど。

次に、考え方の面。 これは、経済的にどうのという以前の問題なのかもしれないが、自分が帰る家(建物としての家)が無いということを受け入れられるかどうか。 この点は人によって全然違ってくるだろう。 どんなに裕福でも、やっぱり自分の家がなければと思う人もいるだろうし、逆に、家や車など財産を守るための保険、修理・維持費等といった物に縛られる必要がなく、自分自身が常に気持ちよく過ごせる場所に居て、気持ちよく日々を送ることに重点を置く人もいるだろうし。

このサイト、英語で書かれているが、興味のある人は見てみるのもいいかも。
サイト名:Home Free Adventures

英語でhome free lifestyle等の言葉で検索してみると、結構注目されているライフスタイルの一つだというのがわかる。

それにしても、ふと思ったのだが、home freeとは言うものの、彼らには帰れる国がある。 渡航先で何か起きた時に守ってくれる自分の国がある。 そして、その自分の国に戻ることができる。 でも、もし自分の国が内戦状態だったら、無政府状態になっている地域だったら、経済的に裕福でない国だったら…。 定住せずに、気の向くまま、なんてのんきなことは言ってはいられないし、実際にそういう環境で生活している人たちが地球上にはたくさんいるというのも事実。 home freeというライフスタイルが間違っているというのではなく、何か考えさせられるものを感じる。