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『大人が絵本に涙する時』

大人が絵本に涙する時

大人が絵本に涙する時

 

 

以前紹介した、柳田邦男氏の『砂漠でみつけた一冊の絵本』の続きとも言える本。 著者も、本書あとがきの中で、「『砂漠で見つけた一冊の絵本』(岩波書店)に続く私の絵本エッセイ集第二弾の本書は、名作小説などの再読エッセイ集『もう一度よみたかった本』(平凡社)とも連作の関係にある。」と述べている。

この本も、『砂漠で見つけた一冊の絵本』と同じような内容になっている。 絵本を通して体験した話しの数々、それから、著者による絵本の紹介。 紹介されている絵本の数はけっこう多い。

面白いなと思ったのは、「絵本のための予算を毎月2,000円と考えて、一か月に一冊絵本を買って読もう」というもの。 確かに、絵本の価格を見てみると、1,300円ぐらい(?)から2,000円でおつりがくるぐらいのものが多い。 例えば、1月に購入した絵本が1,400円とすると、600円は次月に繰り越しとなる。 2月、手元の予算は2,000円+600円=2,600円。 この月は1,600円の絵本を購入。 2,600円-1,600円=1,000円となり、1,000円は次月に繰り越し。 そして3月、2,000円+1,000=3,000円の予算。 こうやってみると、三、四ヶ月に一度はひと月に2冊買うことができる時もあるし、 奮発してちょっと高めの絵本を買うこともできる。 考えてみれば、別に特別な方法でもないのだが、普段こうやって考えることもなかったので、個人的にはちょっと新鮮なアイデアだった。 それに、なにも絵本に限らず他の書籍でもいいわけだし。

少し前に、『ちいさなちいさな王様』を読んだ時は、自分が想像していたようなストーリーではなかったので、ちょっと物足りなさを感じ、やっぱり私はあまり絵本を読みたいとは感じないな、などと思ったのだが、その考えは今、少しずつ変わりつつあるような気がする。 著者が常に提唱するように、すぐ手に取れる場所に絵本を置き、一冊の絵本を何回も何回も機会あるごとに読み、自分のお気に入りの絵本を少しずつ増やしていく。 そして、人生の中で感じる幸せ、悲しみ、寂しさ、色々な感情を持つたびに絵target="_blank"本を読んでみる。 素敵な絵や写真、短くて簡潔な言葉、短いストーリー、こういう特徴をもつ絵本だからこそ、何回も何回も読んだり、周りの人に読み聞かせることができるのか、などとなんとなく思ったりしている。

今では、「絵本、大人」と言えば柳田邦男氏が真っ先に頭に浮かんできそうだが、いつ頃からのことなのか。 十年ぐらい前からなのか、私自身は全然気が付かなかった。 ちょうど本書の中でそのことに触れている箇所があったので、ここに記しておく。

1999年 : 『文藝春秋』十月号に「大人こそ絵本を読もう」という趣旨のエッセイを寄稿

その後、絵本をめぐって、雑誌、新聞のエッセイやインタビュー、ラジオ、テレビへの出演、全国各地での講演

2003年 : 朝の読書推進協議会事務局長の佐川二亮氏の発案で、読売新聞社、トーハン、博報堂による「いま、大人にすすめる絵本」プロジェクトがスタートし、毎年六月に読売新聞の広告面一ページを使って、私とゲストの対談記事と私が大人にすすめる絵本リストを掲載するとともに、全国の協力書店の店頭で、リストの絵本全点を三ヶ月間展示販売するというキャンペーンを続けてきた。