Someday Somewhere

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『ドキュメント 道迷い遭難』

今年から8月11日が「山の日」という祝日になった。 「山の日」記念ということで山や登山関係の店などはこの祝日を盛り上げようというイベントがあちこちで行われていたようだが、Amazonでは8月11日まで山関係の書籍セールを行っていた。 しっかりセールに誘われて、前から気になっていた本を2,3冊、Kindle版で買ってしまった。

標高の高さに関係なく、山を歩いていれば道に迷った、或いは迷いそうになったという経験のある人は多いと思う。 この本では実際に起こった道迷い遭難の事例数件をリポートしている。 どの様なシチュエーションで、どんな人が、どういったルートで道に迷ってしまい、道に迷った後、どういう行動を取り、最終的にどうやって下山もしくは救助されたかを時系列で記述した文章は、読んでいるだけでも怖くなるし、誰にでも起こりうることだということがよくわかる。

また、事例に登場する人たちの中には、登山をしていて「いるいる、こういう人」と思えるパターンも。 この場合、時間が比較的多い定年退職した人たちで「自分はしょっちゅう山に登っているし、いろいろな山も経験しているから大丈夫」的な雰囲気を出している人たち。 でも、同じ山でもその時によって条件は変わるし、以前大丈夫だと思っても、その以前が何年前なのか、その何年前と今の自分の体力は? こういうことは往々にして忘れがちなもの。 ましてや初めて歩くコースならなお更注意が必要になってくる。

個人的には、山を歩いていて困るのは登山道を表すリボン。 以前山梨の山を歩いた時、見渡す限りの角度のあちこちにリボンが結ばれていて方向がわからなくなったことがある。 少し前にトレイルランの大会があったのか、その時の標識は残っているのだが、一般の登山者向けの標識が無くなっており、地図を見たけどこんがらがってしまい、結局目的地とは全然違う登山口に下りてきてしまったことがあった。 奥深い場所ではなかったので山の奥へ入ってしまうことはなかったが、「あれ? 変だな」と思った時はとにかくまず立ち止まる。 一休みして落ち着いたら地図やコンパスできちんと確認して進む。 やっぱりこれしかない。

低山だろうが高山だろうが、山に登る人は読んでおいても損はない本だと思う。

 


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