Someday Somewhere

A little something to say in my everyday life

厄介な腰痛

もう10年ぐらい前の話しである。 ある日突然腰に痛みを覚えた。 「ある日」、「突然」と言ってもぎっくり腰ではない。 「ぎくっ」といったわけではないから。

ぎっくり腰になったこともなく、そもそも腰が痛くなったことなどないので、最初はすごく慌てた。 なぜ痛くなったのか思い当たる節もない。 そして今まで経験したことのないような痛み。 カッターでちょっと指を切っちゃったみたいな痛みではなく、神経に直接チクッ、チクッとくるようなやつ。 この痛みがなかなか厄介で、何をしていても痛い。 何もしていなくとも痛い。 要するに、じっと立っていようが、椅子に座っていようが、横になっていようが痛い。 もちろん歩いている時も痛い。 椅子に座った状態で無意識にちょっと姿勢を変えたり体を動かしても痛い。 寝ている間に寝返りをうっても痛みで目が覚めてしまう。 こうなると四六時中痛いわけで、よく眠ることもできず、日中も物事に集中できない。

これでは普通の生活ができないと、整形外科デビュー。 レントゲンを撮った後、痛みの状態を見つつ触診した医師の答えは坐骨神経痛。 それにしてもなぜ自分が坐骨神経痛になったのかがわからない。 医師も特に説明はしてくれなかった。 あまり痛がるので注射を打ったほうがいいのではと医師に言われたが、腰や背中に注射を打つなんて、よっぽどのことがない限りしたくない。 その日はとりあえずできる限りリハビリに通うということで医師を納得させた。

それからは毎週3日、4日と行ける限りリハビリに通った。 リハビリの内容は牽引と電気マッサージ。 牽引は結構気持ちよかったのを覚えている。 リハビリに2か月ぐらい通ううちに痛みも全くなくなったので、整形外科通いはそのままフェードアウト。 整形外科に行くこともなくなった。

痛みがなくなったとは言ってもやっぱり心配。 重い物は持たない、変な姿勢はしないなど日頃から気をつけているんだけど、そうそう甘くはない。 この10年間にリハビリ通いに行かざるをえないほど痛くなったことが2、3回あった。

こういう生活を繰り返す中でいつも疑問に思うことがあった。それは、どうしたら痛くならないようにできるのか、日常生活でどんな点に注意すべきなのか、また何か改善すべきことはないのか。 整形外科にかかる度にこういう質問をしてみるのだが、どの整形外科医からも納得のいく答えは得られなかった。 皆、痛み止めを服用する又は注射を打つ、症状がひどい場合は手術をすると答えるだけ。 腰痛予防の為のストレッチを教えてくれた病院が1軒あっただけだった。

私のようにレントゲンを撮って確認しても骨に異常が無い場合、ほんと「もう、どうなってるわけ?」としか言いようが無い。 やけっぱちな気持ちで、ちょっと腰痛関係の書籍でも読み漁るかと思い選んだ一冊目がこの本(↓)。

 読んだ感想を一言で言うと「本当に読んでよかった」。 それは「この本を読んだら腰痛が全くなくなったから」では勿論なく、この著者自身が長い間腰の痛みを抱え、整形外科を渡り歩いた経験を持ち、私と同じような思いを持っていたから。 著者も整形外科にかかる度に、どうしたら腰痛を予防できるのか、生活の中で何か改善させる方法はないのかといった質問をしたが誰も答えてくれなかったらしい。

ここで少し著者についての紹介。 著者の伊藤 和磨氏は元々プロサッカー選手だった。 しかし持病の腰痛の為22歳ぐらいで引退。 その後、スポーツジムに入社し、そこで出会ったジェフ・ライベングッド氏(ホリスティックトレーナー)に師事。 著者自身も独学で関係分野を学び、現在は学校や企業で講演を行う他、ご自分でもセッションを開くなどしている。 (ここでは細かく書かないので、興味のある方は「伊藤和磨」で検索してみてください)

さて、本書の内容だが、まず腰痛の原因や仕組みについて説明。 また整形外科医の腰痛に対する処置とそれに対する疑問点や問題点についても言及。 そして腰痛を起こりにくくする生活環境や習慣、正しい姿勢の作り方などについても書かれている。 ただ、トリガーポイントと言う「痛みの震源地」なるものがあるのだが、それを見つけるとかほぐすといった方法は自分でやるにはちょっと難しそうだった。

腰痛と言っても、何か別の病気を患っているめに腰痛が起こっているという場合もあるので、レントゲンやMRI検査は必要だと思うが、そこで異常が 確認されない場合、姿勢の矯正、インナーマッスルの強化など、普段の生活に取り入れて少しずつ改善していく必要があるし、そうするしかないと思う。

本書を読むと、是非とも著者に診てもらいたいと思うのだが、そこまで行くことができない人もいるわけで、整形外科や整体に従事する人たちは、痛みを一時的にとり除くことのみに専念するのではなく、普段の生活の中でできる改善策や予防策、姿勢の矯正なども患者に教えるべきだと思う。

ちなみに現在、病院に通うほどの腰痛は発症していない。 普段から姿勢などに気をつけるとか、ウォーキングやトレッキングなど常に運動するようになったのも効果があるのかもしれない。

上記の書籍以外に読んだもので、まあまあ役立ったと思える本2冊。



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