今も昔も若い人たちは次々と新しい言葉を作り出しているわけですが、インターネット、そしてスマホの普及により、初めて聞いたら意味がわからないなんて言葉も少なくありません。
最近の言葉の中に
ばえる(映える)
モヤる
ディスる
などなど、この他にも「~る」というパターンの言葉をよく見かけます。 そんな言葉を聞く度に思い出す言葉が「チャイ(拆)る」。
ここで使われている拆は中国語で、【chāi】と発音します。 「取り壊す・開封する・ほどく」といった意味の動詞です。
わたしが北京にいたのはもうずいぶん前のことですが、当時北京のいたるところで開発が進んでおり、あっちでもこっちでも古い建物が取り壊されている最中でした。
「この建物は取り壊しますよー」という建物の壁などにはペンキででかでかと書かれたこの文字をよく見かけました(↓)。
そんなある日、通っていた大学の近くにタイ族の人がやっているレストランがあり、久しぶりに友達数人と行くことに。 美味しいので楽しみにして行ったのですが、いざレストランに行ってみると、その辺りの建物はみな取り壊された後でした。
すると、一緒にいた日本人の女の子が
「拆(チャイ)られちゃいましたねー」
と一言。
無意識にでも、動詞にするために語尾に「~る」を付けて表現するんだよね~、と変に感心したのを覚えています。 更に、「拆る」のみならず、ちゃんと受身形にしてるし。
気にして見てたら、日本人留学生の子たちはよく使ってました。
「あの建物、もうすぐ拆(チャイ)って、なくなるみたいだよ」みたいな感じで。
ちなみに、食事をしようと出かけて行き、タクシーを降りたら、そこは取り壊されて瓦礫の山だったなんていうことも一度や二度ではありませんでした。
今でも、開発・再開発が行われている地域では上の写真のような風景を目にすることもあるかもしれませんね。